ドイツ政府がすすめる”Smart Industry 4.0”
ハノーバーの中央駅が町の中心地なのだが、展示会場からは、電車で30分ほどである。宿泊事情として、多くの展示会出展者は中央駅あたりに宿をとっている。ホテルはほとんど満室になっているようで、料金も、ハノーバーメッセ期間中は2~4倍となっている。それ以外の方法としては、キャンピングカー(キャラバン)に宿泊する手段がある。大きなキャラバンが駐車して宿泊できるように整備されており、シャワー室やトイレも開放されている。
中央駅だが、ヨーロッパらしい歴史的建造物がまだ多く残っており、そこに都市機能が混ざっている。レストランはドイツ料理をはじめヨーロッパの料理からアジアの料理まで多様である。おすすめはやっぱりビヤホールだ。ブリュワリーとレストランが併設されており、。つくりたての生ビールが飲めるのが特徴である。
さて、今回の視察のまとめとなるが、ハノーバーメッセのキーワードは、ドイツ政府がすすめる”Smart Industry 4.0” である。大きくは、IoTや、情報のクラウド共有、ビックデータの収集、これらの新技術を元に、工場や図面をデジタル化して、見える化、遠隔操作、サプライチェーンとのシェアを進めていくことだと解釈している。(個人的見解である。) 実際、どのように導入できるか今すぐは見当がつかないが、セラミック製造の効率化、安定化へ向けて検討の必要がある。ドイツからのこれらの提案は、実は日本にとっても身近な物である。ドイツでは日本と同じように高齢化社会や働き手不足が問題となっており、より効率的な製造を目指して今回のスマートファクトリ―化の提案が行われているわけだが、この流れは、日本の中小企業にとってチャンスと言われている。センサーで取得した機械のデータをパソコンやネットでクラウド上に発信し、パソコンやスマートフォンなどのデバイスで確認、操作する時代が来ているのである。また、それらはローコストで出来るだろうと言われている。
セラミック業ではどのように落とし込めるかはまだ不明だが、この方向で、各種機械のサプライヤーと連携して取り組んでいけば、効率化はすすめられるだろう。もうすぐ我々のまわりでも、部品の不具合や工具の消耗、機械トラブルなどの情報が自動的にクラウド上の管理者たちや、機械、工具サプライヤーのもとへ発信され、見落としリスクの低減や、トラブル解決の短期化が始まると思われる。さまざまな情報に敏感に反応し、時代に取り残されないようにしないといけない。また、IoTの組み合わせは無限大なので、オリジナルのものを生み出さなければならない。大切なことは、機械メーカーや、ソフトウェア会社が開発したものではなく、自社内で、コントロールしたい機械にセンサーをつけて、オリジナルのものを生み出すといった姿勢である。
私もすこしアイデアが出てきたので、取り組みをはじめたいと思う。
西村陶業株式会社 西村 昂