西村陶業株式会社は2018年に、創業百周年を迎えました。
皆様のご支援とご引き立てによるものと、深く感謝申し上げます。
経営理念である、“顧客の満足するものづくりにより、より豊かな生活を実現する”
これからも、創業よりの理念を忘れず、社員一同邁進の所存でございます。
“まだ百年、されど百年”
会長 西村 嘉夫
大正7年(1918年)
西村政次郎・たかは、京都市東山区東大路渋谷西入上梅谷町にて開業。自宅を工場としていたと思われ、石膏型等による成形を行いつつ、金型による成形方法を切り開いた。
昭和初期
京都市東山区妙法院前側町にて、自宅兼工場を入手し製造規模を増やし、若干名にて製造を行う。
(画像は昭和中期、旧本社の写真です)
昭和17年9月(1942年9月)
戦時状況の中で、政府により企業合同へと変化させられ、合同企業として工業用陶磁器の製造にあたった。又、品質や価格は政府機関によって、製品・機種毎に統一されていた。
昭和21年8月(1946年8月)
西村與三吉が昭和20年に除隊後、家業を継ぎ、株式会社西村製陶所として法人化した。京都市東山区東大路渋谷上ル常盤町にて本社工場を設置、登り窯を築き、共同窯による焼成から自家焼成へと切り替えた。
当時生産されていた製品は、戦後復興後の電気絶縁材として配線器具用の磁器製品が主な生産品であった。(材質は普通磁器がほとんどであった。)
※普通磁器:一般的に器を作る磁器と似た材質のこと。
昭和26年(1951年)
40t油圧プレス導入により大型製品の製造が可能となった。
昭和35年(1960年)
従来の登り窯の薪を使った焼成方法から、重油を使用した単独炉での焼成に変更した。従来の薪を使用した窯から重油を使用した窯へ変更した事により、周囲への煙公害問題がなくなり、更には焼成人件費・燃料費等のコスト大幅に下げることに成功した。
昭和42年(1967年)
京都の工業用陶磁器・伝統工芸品としての陶磁器製造を含む、陶磁器製造業社は後継者や製造規模等の問題より、従来の東山一帯から新天地を求め、新たな団地造成への動きが活発になった。弊社もこの機会に合わせ、新天地にて新規に始めることとなり、計画し、昭和42年4月(1966年4月)より現在地(清水焼団地地区)にて、製造を開始した。
当時の製造品目は、暖房器用・電子レンジ用・照明器具用等、家電用の製品や車輌用碍子類、工業用ヒーター絶縁体、通信機器用等多岐にわたり、材質も普通磁器主体からコーディエライト系・ジルコン系等、特殊磁器と呼ばれる材質を使用した製品を多く生産していた。重油炉2基によって焼成されていた当時は、大量生産に集中し、小回りのきいた生産ではなかった。
現在
現在においては、大量に生産する製品も残しつつ、多様化する需要に対して柔軟に対応するため、小ロットの製品や、医療機器部品等、求められる精密さにより大量に生産出来ない製品も製造している。
現在では、東京スカイツリーの照明器具のLED部品や、血液検査用の製品等、世界技術の進歩に合わせて必要とされる製品が異なる。始まりは、器作りと同じ様な手法で製造していたが、高度化する電子機器や時代の変化に合わせて、時々に適合した最善の製品を製造するため、受け継がれてきたものづくりの精神、求められる精密さに答える技術、変化に適応出来る柔軟な体制、焼き物に携わる心技体を大切にしていきたい。